69. 太鼓鐘貞宗
・鎌倉末-南北朝初期
・重美認定日 1934.07.31
・重文指定日 1938.07.04
・個人所蔵
・享保名物帳
相州貞宗が打った短刀の中で最も小ぶりで、堺の太鼓鐘という名の町人が持っていたことが名の由来とされているが、特定には至っていない。
それ以前の来歴は不明だが、江戸時代には徳川将軍家の所有となっており
毛利秀包が献上したのではないかといわれている。
家康の十男・頼宣より将軍秀忠へ献上され、
1617年に奥州仙台2代目藩主・伊達忠宗が秀忠の養女(池田輝政の娘)振姫と結婚し、同年12月18日に政宗と秀忠が親子で江戸城にお礼登城した際に、
秀忠より、長光と共に大小セットで下賜された。
「剣槍秘録」によると、伊達家での管理番号は「春の二号」と呼ばれていた。
その後、仙台4代目藩主・綱村が稲村正則の娘・仙姫と結婚し、婚礼品として
1677.04.10に長光と共に稲葉家へ贈られた。
1688年に稲葉家が財政難となり、茶道具などと共に買い戻され、
以降、戦後まで仙台伊達家に伝来した。