118. へし切長谷部

<刀 金象嵌銘:長谷部国重 本阿(花押)黒田筑後守(名物:へし切長谷部)>

南北朝時代

長谷部国重 作

・重美認定日 1933.07.25

・重文指定日 1936.09.18

・国宝指定日 1953.03.31

・福岡市立博物館 所蔵

享保名物帳

 

建武期に活躍した山城国の刀工・長谷部国重によって打たれた極めの刀。

織田信長の愛刀で、信長が手討ちにしようとした茶坊主が膳の下に隠れたため刀を振り上げられず、差し込んだ所、胴体ごと「圧し切れた」ため信長によって名付けられた。

 

享保名物帳には、信長より豊臣秀吉に贈られ、後に黒田長政に贈られたとあるが、

信長から黒田官兵衛孝高(如水)に直接下賜したという説もある。

 

1575年7月に如水が秀吉に伴し、信長に謁見し毛利討伐の策を練っていた際に拝領したものとされる。

以降、黒田家に伝来した。

 

1660年に本阿弥家によって500貫の折り紙が付けられ、金象嵌が入れられた。

 

1978年に黒田家14代目当主・長礼が亡くなり、夫人によって黒田家伝来の宝物が福岡市に寄贈された。