122. 獅子王
<太刀 無銘>(大和物 号:獅子王)
・平安時代
・作者不明
・重文指定日 1971.06.22
・東京国立博物館 所蔵
平安末期の大和の刀工が打った太刀で豊後貞秀、または備前実成作とも言われている。
本刀自体は無銘であるが、「春湊浪話」に源頼政が鵺を射った際、朝廷より獅子王という刀を賜ったとあり、この号が刀身につけられたとされるが、
由来ははっきりしておらず、当時の鞘に獅子の螺鈿が施されていたためという説もあり
また、頼政の摂津源氏の家紋が獅子に牡丹であるため名付けられたという説もある。
1140年頃に朝廷第76代近衛天皇より、初代土岐藩主・頼政が鵺退治の褒賞として賜った。(第80代高倉天皇から賜ったという説もある。)
1570年頃に土岐頼政の末裔・但馬国竹田城主斎村(赤松)政広が所持しており、
1600年・関ヶ原の戦いで鳥取城下を焼き払った罪で、徳川家康より政広は自害を命ぜられ、本刀は家康に没収された。
その後、土岐頼次が本領安堵にて家康に拝謁した際に下賜された。
以降、高家土岐家に伝来した。
1882.06.19に頼近より明治天皇に献上された。