132. 太郎太刀

 

「太郎太刀」というのは俗称で、同じ人物が刀を2振り持つときに、

長いほうを「太郎」、短いほうを「次郎」と呼ぶ。

 

太郎太刀を号とする太刀は複数存在するが、次郎太刀との回想などから

熱田神社に奉納されている「真柄太刀」だと推測される。

 

<大太刀 無銘(号:太郎太刀)>

南北朝室町時代

・末青江 作

熱田神社 所蔵

 

青江派後期の備中末青江の刀工によって打たれたとされる大太刀

(数珠丸は古青江、にっかりは中青江といわれる。)

 

本刀は朝倉家の武将・真柄直隆が使用していたといわれ、「朝倉始末期」では足利義昭の御前で本刀を頭上で数十回振り回し、豪傑ぶりを披露したと記されている。

 

1570.07.30・姉川の戦いにて直隆は徳川軍を相手に本刀を徳川軍を相手に本刀を携え、

単騎で奮闘したといわれる。

 

1576年8月に春日部熊野庄の山田甚八郎吉久によって熱田神社に奉納された。

社伝によると、真柄十郎左衛門直隆が所持していたとされる。

 

 

石川県の白山比咩神社にも「太郎太刀」を号する<太刀 銘:行光>が奉納されている。

こちらも真柄直隆が所持していたとされ、加賀守前田利常が名工・後藤才次郎吉定に命じて作らせた拵えも共に奉納されている。