136. 日本号
<大身槍 無銘:金房政次(号:日本号)>
・室町時代後期
・金房政次(?)作
・福岡市博物館 所蔵
・御家名物
作者は不明で無銘だが、大和金房派の作ではと推測される。
元来、皇室名物で正三位の位を賜ったという伝承より「槍に三位の位あり。」と謳われる。
正親王天皇より、足利義昭が拝領し、織田信長、豊臣秀吉の手に渡った。
1590年・小田原討伐の褒賞として、福島正則に与えられた。
1596年、正則は黒田家臣の母里太兵衛との飲み勝負に敗れ、本槍を譲り渡した。
(この逸話より、吞み取りの槍とも呼ばれる。)
以降、母里家に伝わるが明治30年代(1897年)に
10代目当主・友諒の甥、浦上某によって持ち出されたとされ、
玄洋社総帥・頭山満が1000円で買い取り、侠客・大野仁平に与えられたとされている。
1918年、仁平の死後に元福岡藩士出身の実業家・安川敬一郎が1万円で買い取り、
1929年3月の日本名宝展覧会で黒田長成侯爵名義で出品され
1933年の遊就館でも同名義で出品された。
1978年、長礼の死後、茂子夫人によって黒田家の宝物、美術品が福岡市に寄贈された。