144. 篭手切江

<脇指 金象嵌銘:コテ切義弘 本阿(花押)銀象嵌:稲葉丹後守所持(名物:篭手切江)>

南北朝時代

郷義弘 作

・公益財団法人黒川古文化研究所(西宮市)所蔵

享保名物帳

 

正宗十哲の1人、郷義弘によって打たれた脇差

由来は不明だが、篭手切とは一般的な断裁銘である。

 

来歴は不明だが、細川家に伝わり、細川幽斎が所持していたが、

その後、相州小田原城主・稲葉丹後守正勝が入手した。

 

1626-34年の間に、正勝が本阿弥光温に命じ、銀象嵌を入れさせた。

1634年、稲葉正利が細川忠利の治める肥後熊本預かりとなった際、謝礼として忠利に贈られた。

1662年には本阿弥家による折紙が100枚つけられた。

 

1700年、正勝の孫・正往が老中に就任した祝儀として、稲葉家に贈られた。

 

1918.03.18に稲葉子爵家の売立に出され、新潟の円山琢左衛門が3238圓で落札した。

1931年には円山家の売立に出され、市井に流れたが、遅くとも

1965年頃には黒川古文化研究所が入手した。