184. 地蔵行平

<太刀 銘:行平作(名物:地蔵行平)>

・平安末ー平安初期

豊後国行平 作

享保名物帳(焼失の部)

 

豊後の刀工・行平によって打たれた太刀。

地蔵菩薩が彫られているために名付けられた。

 

足利家に伝来し、6代目・義教の所有のあと、北条氏綱へ渡り

その後、地蔵菩薩が彫られたとされている。

 

以降の来歴は不明だが、細川忠興の手に渡り、

1581.04.12の茶会にて、ガラシャの父である明智光秀に贈られ、

その後、徳川家に献上された。

 

以降、徳川家に伝来していたが、1657年の明暦の大火にて焼失した。

 

 

他にも、この号を持つ刀は複数存在し、

<太刀 銘:豊後国行平作(号:地蔵行平)>
鎌倉時代

豊後国行平 作

・重文指定日 1975.06.12

東京国立博物館 所蔵

 

豊後の刀工・行平によって打たれた太刀で、1205年の銘が入れられている。

 

江戸-大正時代に存在した宮家・有栖川家に伝来し、

10代目威仁親王の代にて後継の男児に恵まれず、断絶した。

だが、親王大正天皇東宮時代の教育係である東宮輔導であったこともあり

、当時8歳の第3皇子・宣仁親王高松宮の号を与えられると共に、

有栖川家の祭祀、邸宅などの財産を継承した。

 

 

<太刀 銘:行平作(号:地蔵行平)>
鎌倉時代

豊後国行平 作

・重文指定日 1941.07.03

名古屋市博物館 所蔵

 

豊後の刀工・行平によって打たれた太刀。

 

徳川将軍家伝来とされているが、詳細は不明。

1995年に市内の刀剣収集家の遺品として、同博物館に寄贈された。

 

打ち直しの形跡もないため、名物帳に記載の刀ではないと思われる。