128. 同田貫正国

 

肥後の同田貫派の祖となった正国が打った刀の総称。

同田貫正国は肥後熊本を領した加藤清正のお抱え刀工であり、

数多くの豪傑な実践刀を打ったといわれる。

 

現在では「天覧兜割り」の逸話にて有名になった1振りが「同田貫正国」としてよく知られている。

 

「天覧兜割り」は、1886.11.10に明治天皇行幸にて披露された刀による鉢試しのことで、並居る剣豪が名刀で明珍作の兜に挑む中、同田貫を手にした最後の剣豪と呼ばれる榊原健吉だけが成功させたという。

兜には大きな斬撃痕が入り、同田貫の備え持った強さを再び世間に広く知らしめることとなった。

 

野球選手の王貞治は練習に日本刀を使っており、その刀が同田貫といわれているが

実際は無銘刀であり、その後、剣道家の羽賀準一に師事し、縁あって同田貫を入手し

2017年に九州国立博物館に寄贈された。