198. 一文字則宗

 

鎌倉初期に備前国で活躍した福岡一文字の祖にあたる刀工

 

後鳥羽上皇に集められた12人の御番鍛冶の1人で、

則宗は、1月(正月)を担当した

 

則宗は「菊一文字則宗」として多く知られているが、

実際に則宗の刀に菊花紋を刻んだものはなく

後鳥羽上皇による菊花紋を刻んだ刀「菊御作」と混同され

則宗の刀が大衆に認識されてしまったのではないかといわれている。

 

新選組を題材にした小説などで、「菊一文字」は

沖田総司の愛刀として描かれることが多いが、

室町時代にはすでに則宗の刀は高級品であり、

江戸時代には「大名差し」として稀に贈答されるほどで、

則宗の刀は新選組一隊士に持てる代物ではなかったため、

事実ではないとみられている。

 

現存する「則宗」銘刀は、

<革包太刀(笹丸)則宗ノ銘アリ/ 名物:二ツ名銘則宗> 

重要文化財指定

愛宕神社所蔵(京都国立博物館寄託)

 

<太刀 銘:則宗

重要文化財指定

岡山県立博物館所蔵

 

<太刀 銘:則宗> 徳川5代目将軍・綱吉由来

・国宝指定

日枝神社所蔵