192. 五月雨江

 <刀 無銘:義弘(名物:五月雨江)>

南北朝時代

郷義弘 作

・重文指定日 1939.05.27

徳川美術館 所蔵

享保名物帳 記載

 

越中国郷義弘によって極められた刀で

五月雨の時期に本阿弥家にて極められたためこの名がついた。

 

本阿弥家より取り出され、義弘によって極め直された本刀を黒田長政が買い求めた。

1629.03.10に長政が死去しその遺物として、徳川家2代目将軍・秀忠に献上された。

 

1629.04.23に加賀の前田光高が3代目将軍・家光に元服した際に秀忠より拝領した。

1639.12.25に家光の養女・阿知姫が光高に輿入れした際、光高の父・利常より家光へ献上された。

 

1939.09.28の尾張徳川光友と家光の息女・千代姫の婚礼の引出物として家光より、

江戸城白書院にて、光友は本刀と後藤藤四郎を拝領した。

1667年9月に広橋権大納言忠幸の息女との婚礼を祝し、子・綱誠へ贈られた。

 

1699.06.05に綱誠が死去しその遺物として、

1699.07.25に5代目将軍・綱吉に献上された。

以降、将軍徳川家に伝来した。

 

1944年3月に徳川宗家17代目当主・家正より、徳川美術館に寄贈された。