154. 南泉一文字
<刀 無銘:一文字(名物:南泉一文字)>
・鎌倉時代
・福岡一文字 作
・重美認定日 1941.09.24
・重文指定日 1954.03.20
・徳川美術館 所蔵
備前の刀工一派、福岡一文字の刀工によって打たれた刀だが、大磨上無銘である。
元は足利将軍家の蔵刀で、研ぎに出した際に猫が真っ二つに斬れたという説より、
「南泉斬猫」という故事にちなんで名付けられた。
時期は不明だが、豊臣秀吉が入手し「一之箱」に納められた。
1611.03.28に二条城にて秀頼(秀吉の三男)と徳川家康の会見の際に贈られたと
「豊臣家刀帳」に記されている。
その後、家康の遺品として、尾張徳川家初代・義直に贈られ、以降同家に伝来した。
(「享保名物帳」によると、義直から2代目将軍・秀忠に献上し、その後改めて下賜された。とあるが、尾張家にはその記録はない。)