77. 小竜景光

<太刀 銘:備前国長船住景光 元亨二年五月日(号:小竜景光)>

・鎌倉末期

備前長船景光

・重文指定日 1949.02.18

・国宝指定日 1952.11.22

東京国立博物館 所蔵

 

備前長船派3代目・景光によって打たれた太刀で

はばき元に精緻な倶利伽羅竜が彫られているため名付けられた。

 

山田浅右衛門家の記録によると、中納言藤房より楠木正成に譲られ、

その後、豊臣秀吉に渡り、家康に伝わったとあるが、他に記録がないため特定には至っていない。

1830年頃、河内の農家に刀屋が発見し、本阿弥家に出したが折り紙は付かなかった。

だがその後、幕府の代官・中村覚太夫に買い取られた。

 

太夫の死後、1846年に網屋という刀屋が買い取り、

毛利家に売ったが、折り紙がないと知ると返却された。

その後、山田浅右衛門吉昌が5万両で買い上げたが、

1847年に井伊直亮に召し上げられた。

1860.03.03に直亮の子・直弼がなくなり、その後山田家に返却された。

 

1873年4月に山田浅右衛門吉利より、大久保忠寛を通じて

宮内庁に献上され、御物となった。

明治天皇は佩刀されるほど本刀を気に入っていた)

 

戦後、東京国立博物館に移管された。